リクルートエージェントTOP0章:はじめに。「自分の市場価値は、いくらなんだろう」

こんにちは。noteで、キャリアと心の葛藤について綴っている、一人の会社員です。

私は、38歳の冬に、転職活動を始めました。

理由は、大げさなものではありません。
「この会社に、あと20年いるんだろうか」
「子供の教育費、この給料で本当に足りるのか」
「隣の部署の同期が、早期退職でいなくなった」

そんな、じわじわと迫ってくる「霧のような不安」です。

転職するぞ!という強い決意よりも先に、「自分は、今の会社以外で通用するのか」という、漠然とした焦りだけが膨らんでいきました。

あなたも、もしかしたら、同じかもしれません。
夜、ふと目が覚めたときに、自分の「市場価値」という言葉が、重く胸にのしかかってくる。

転職活動の第一歩として、インターネットで調べると、誰もが同じことを言います。

「転職エージェントは、複数登録が基本です」

私も、その言葉に従いました。
リクルートエージェント」「doda」「JACリクルートメント」…
名だたるエージェントに、震える手で登録ボタンを押しました。

しかし。
それが、新たな「悩み」の始まりでした。

A社からは「もっと強みを絞りましょう」と言われ、
B社からは「未経験でも、この業界なら」と勧められ、
C社からは「あなたの経歴なら、こちらです」と、全く違う求人が送られてくる。

(いったい、誰を信じればいいんだ…?)

複数のエージェントとやり取りするメール。バラバラの面談日程。重複する求人。
ただでさえ不安なのに、情報が多すぎて、溺れそうになる。

私は、この「エージェント疲れ」の中で、一つの決断をしました。

「すべてを平等に使うのは、無理だ」
「自分の転職活動の『軸』となるエージェントを1社、決めよう」と。

今日は、私が30代後半の転職活動で、各エージェントをどのように「感じ」、どのように「使い分け」、そして最終的に、なぜ「リクルートエージェント」を私の活動の「主軸」に据えたのか。

これは、機能の比較ではありません。
38歳の、不安でいっぱいだった会社員が、すがる思いで向き合った「エージェントとの心の距離感」についての、正直な体験記です。




私が本音で語る「転職エージェント」使い分けランキング

最初に、私が「主軸」として信頼した順に、ランキングを発表します。
これは優劣ではなく、あくまで「私の状況(30代後半・ミドルキャリア・異業種も視野)」における「使いやすさ」の順位です。
「王道すぎる」と思いましたか?
「JACが3位?」と疑問に思いましたか?

わかります。私も、登録前は違うイメージを持っていました。
なぜ、私がこの順位付けに至ったのか。その「感情の起伏」と「体験」を、一つずつお話しさせてください。




【第3位】JACリクルートメント

— 私が「選ぶ」のではなく、私が「試される」場所。

JACリクルートメント(以下、JAC)。
その名前には、「ハイクラス」「外資系」「専門職」という、輝かしい響きがあります。

38歳。ミドルキャリア。
「もしかしたら、自分も『ハイクラス』の仲間入りが…?」
そんな淡い期待を胸に、面談に臨みました。

エージェントの方は、非常にプロフェッショナルでした。
言葉遣い、業界知識、どれをとっても一流です。

しかし、面談が進むにつれ、私は強烈な「居心地の悪さ」を感じ始めました。

「あなたのこのご経歴ですと、外資系は厳しいですね」
「年収800万円以上のラインですと、この実績では…」

すべて、事実です。
彼らは、私の経歴を「査定」し、最適なマッチングをしようと、プロの仕事をしているだけです。

でも、その時の私は、まだ「転職するぞ」と腹を括れていない、不安でいっぱいの人間でした。
欲しかったのは、「あなたなら大丈夫ですよ」という肯定か、あるいは「こういう道もありますよ」という共感でした。

JACは、「相談する場所」ではなく、「自分のスペックが市場の要求と一致しているかを確認しに行く場所」でした。

紹介される求人は、確かに質が高い。
しかし、私の心は「自分は、このエリート市場では価値がないのかもしれない」と、かえって冷えてしまいました。

私は、JACから送られてくるメールを開くのが、少し怖くなってしまいました。
(これはJACが悪いのではなく、私の「覚悟」と「スペック」が足りなかった、という話です)

【JACは、こんな人におすすめ】

  • すでに明確な「専門性」や「管理職経験」を持っている人。
  • 年収800万円以上、外資系、グローバルなキャリアを本気で目指している人。
  • 「査定」されることに臆せず、自分の市場価値を厳しく知りたい人。
「まだ自分に自信がない」「キャリアを棚卸ししたい」という段階の私には、JACは「早すぎた」パートナーでした。




【第2位】doda(デューダ)

— 最高の「伴走者」。でも、私は「地図」も欲しかった。

JACで少し自信を失いかけた私が、次に面談したのが「doda」です。

その体験は、JACとは180度異なるものでした。

dodaのエージェントの方は、とにかく「親身」でした。
私のまとまらない話を、1時間以上、遮ることなく聞いてくれました。

「なるほど、将来が不安なんですね」
「わかります。30代後半は、皆さんそうおっしゃいますよ」
「あなたのその『調整力』は、立派なスキルですよ」

・・・正直、泣きそうになりました。
JACで感じた「査定される恐怖」が、dodaの「共感」によって、ふっと溶けていくのを感じました。
「ああ、転職活動、始めてもいいんだ」と、初めて許可をもらえた気がしたんです。

dodaの強みは、この「人の力」と、エージェントサービスと「転職サイト」が一体化していること。
自分で求人を検索しながら、エージェントにも相談できる。この「両利き」の感覚は、非常に心強かったです。

では、なぜ2位(主軸)にならなかったのか?

それは、活動が本格化するにつれ、「優しさ」が、時として「迷い」につながることがあったからです。

dodaは「伴走者」として最高です。
しかし、私が「AとBで迷っています」と相談すると、「どちらも良い点がありますね。〇〇さんの気持ち次第です」と、私の気持ちを尊重しすぎてくれる傾向がありました。

また、紹介される求人も「〇〇さんなら、これも合いそうですよ」と、私の可能性を広げようとしてくれるのですが、それがかえって「軸」をブラしてしまうことも。

不安だった私には、dodaの「共感」は絶対に必要でした。
しかし、いざ走り出すと決めた時、私が求めたのは「共感」よりも、「最短ルートを示す冷徹なナビ」だったのかもしれません。

dodaは「心のケア」と「自己検索」のパートナー。しかし、転職活動というプロジェクト全体を「管理」してもらうには、少しだけ、私には優しすぎた。

【dodaは、こんな人におすすめ】

  • 初めての転職で、何から手をつけていいか、とにかく不安な人。
  • エージェントに、まず「話を聞いてほしい」「共感してほしい」と強く願う人。
  • 自分で求人を探しつつ、サポートも欲しいという「両利き」で活動したい人。
dodaは、私の「お守り」のような存在でした。主軸ではありませんでしたが、dodaなしでは、私は転職活動を走り出せなかったと断言できます。




【第1位】リクルートエージェント

— 「量」が「質」を生み、不安を「選択肢」で塗り潰す、最強のインフラ。

そして、第1位。「リクルートエージェント」です。

正直に告白しますと、登録前のイメージは最悪でした。

「どうせ機械的な対応でしょ」
「大量の求人を送りつけてくるだけ」
「マニュアル通りのエージェントが出てくるんだろうな」

しかし、JACで「格の違い」を感じ、dodaで「優しさ」に触れた私が、最後に求めていたものが、リクルートエージェントには、すべて揃っていました。

私がリクルートエージェントを「主軸」にした理由。
それは、dodaのような「伴走者」でも、JACのような「査定人」でもなく、転職活動における最強の「インフラ(社会基盤)」だったからです。

圧倒的な「量」が、不安を駆逐する

面談後、送られてきた求人の「量」。
それは、他社の比ではありませんでした。まさに「圧倒的」です。

最初は「うわ、やっぱり雑だ…」と思いました。
希望していない業種も、少しズレた職種も混じっている。

しかし。
その「圧倒的な量」を眺めているうちに、私の「不安」の質が変わっていくことに気づきました。

JACで感じた「自分には価値がないかも」という不安。
dodaで感じた「どの道が正解かわからない」という不安。

リクルートエージェントの求人の「量」は、そのどちらも力ずくで塗り潰してくれました。

「こんなにたくさんの会社が、自分を『選考対象』として見ている」

この「客観的な事実」こそが、38歳の私にとって、何よりの「お守り」であり「自信」になりました。
不安は、dodaの「共感」では消えません。不安は、「選択肢」によってのみ、消すことができるのです。

エージェントは「パートナー」ではなく「プロの管理人」

リクルートエージェントの担当の方は、dodaの方ほど「優しく」はありませんでした。
しかし、JACの方ほど「厳しく」もありませんでした。

彼ら(彼女ら)は、一貫して「プロフェッショナルな管理人」でした。

「〇〇さん、A社の面接は来週火曜です。対策は水曜の夜に行いましょう」
「B社の書類、明日までに修正して提出してください」
「C社から内定が出ました。D社には、こう伝えましょう」

在職中の転職活動は、孤独で、タスク管理が地獄です。
その地獄を、リクルートエージェントは「システム」と「管理力」で、淡々と、しかし確実に、前に進めてくれました。

私が求めていたのは「友達」ではありません。
私の転職プロジェクトを成功に導く「プロジェクトマネージャー」でした。

リクルートエージェントは、まさにそれでした。
日本最大手の「システム」と「データ」、そして「管理ノウハウ」。
それこそが、不安な38歳をゴールに導く、最強の「インフラ」だったのです。

リクルートエージェントは、こんな人におすすめ】

  • まず「自分の市場価値」を、客観的な「求人の量」で知りたい人。
  • エージェントに「共感」よりも「効率」と「管理力」を求める人。
  • どのエージェントを使うか迷ったら、まず「基盤(インフラ)」として登録しておきたい人。




最終章:「最強のエージェント」はいない。いるのは「最適な使い方」だけ。

ここまで、私の偏見と独断に満ちた「エージェント・ランキング」をお話ししてきました。

誤解してほしくないのは、私は「リクルートエージェントだけを使え」と言いたいわけでは、決してないことです。

私の、最終的な「使い方」。
それは、こうです。

主軸:リクルートエージェント
…圧倒的な「求人量」で選択肢を確保し、「市場価値」を把握する。スケジュール管理の「インフラ」として利用する。

副軸:doda
…リクルートでは出てこない「独自求人」を拾う。そして何より、活動が辛くなった時の「心の駆け込み寺」として、担当の方とコミュニケーションを取る。

(保留):JACリクルートメント
…自分の市場価値が上がり、明確に「ハイクラス」を目指すと決めた時に、再度アタックする「未来のパートナー」としてキープする。

そう。「複数登録」は、正解でした。
ただし、「すべてを平等に」ではなく、自分の中に「主軸」と「副軸」という「役割分担」を決めることが、何よりも重要だったのです。

もし、あなたが今、30代、40代で、かつての私のように「霧のような不安」の中にいるなら。
まずは「リクルートエージェント」で、あなたの「選択肢の量」を確認してみてください。

「こんなにあるのか」

その事実に触れることこそが、不安な夜を終わらせる、一番の「薬」になるかもしれません。

転職活動は、孤独です。
でも、その不安を感じているのは、あなたが「真剣」に自分の人生と向き合っている証拠です。

この記事が、あなたの「最初の一歩」を、ほんの少しでも軽くすることができたなら、これほど嬉しいことはありません。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
もし「わかる」「私の場合はこうだった」など、あなたの体験も、コメントで教えていただけたら幸いです。

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それが、私の「書く力」になります。