ポータブル電源選びで「沼」にハマった私が、6製品を本気で比較して見つけた「10年後も家族を守れる安心感」という答え
はじめまして。タカハシといいます。40代前半、妻と小学生の息子の3人暮らし。趣味は週末のキャンプですが、ここ数年、それと同じくらい真剣に考えているのが「防災」です。この投稿を読んでくださっているあなたも、きっとそうではないでしょうか。
「ポータブル電源」、気になっていますよね。
数年前までは、キャンプ好きかDIY好きの、一部の人のアイテムだと思っていました。でも、今は違います。
毎年のように「観測史上最大級」と報道される台風。深夜に鳴り響く、緊急地震速報のアラーム。そのたびに、私は言いようのない不安に襲われます。
「もし、今、電気が止まったら?」
真夏なら、冷蔵庫は? エアコンは?
真冬なら、暖房は?
そして何より、情報源であるスマートフォンの充電が切れたら?
暗闇の中で、何もできずに怯える家族の顔を想像して、私は「備えなければ」と強く思いました。
そこで行き着いたのが「ポータブル電源」です。趣味のキャンプにも使える。一石二鳥だ。妻へのプレゼンも完璧でした。
……しかし。それが、長い長い「沼」の入り口だったのです。
調べれば調べるほど、わからないことだらけ。
「Jackery(ジャクリ)が有名だけど、EcoFlow(エコフロー)のほうが充電が速い?」
「Anker(アンカー)も参入してきた。モバイルバッテリーは最強だけど、ポータブル電源はどうなの?」
「バッテリーに『三元系』と『リン酸鉄』がある? 何が違う?」
価格も、数万円から数十万円。決して安い買い物ではありません。
「失敗したくない」
「どうせ買うなら、本当に家族を守れるものが欲しい」
私は、この1年半、家電量販店に通い、YouTubeの比較動画を夜な夜な見続け、SNSの口コミを漁り、それはもう徹底的に比較しました。(妻には「また見てるの?」と呆れられるほどに)
今日は、そんな「ポータブル電源選びで迷子」になった私が、最終的に「これしかない」と確信し、購入に至った一台について、そして、なぜ他の有名ブランドを選ばなかったのか、その赤裸々な理由をランキング形式でお話ししたいと思います。
もしあなたが、私と同じように「種類が多すぎて選べない」「高価な買い物だから絶対に後悔したくない」と悩んでいるなら、この記事が、あなたの「答え」を見つけるヒントになることを願っています。
(対象読者として、私と同じ30代〜50代で、家族のために「安心」と「趣味」を両立させたい方を想定して書いています)
私が「選ばなかった」5つの有力候補たち
最初に断っておきますが、これから挙げる5つのブランドは、どれも素晴らしい製品です。私の「悩み」と「優先順位」に、ほんの少しだけ合わなかった。ただ、それだけです。私の優先順位は、以下の3つでした。
- 安全性と長寿命:防災用品として、10年後も安心して使えること。発火などのリスクが限りなく低いこと。
- 静音性:停電時の夜間や、キャンプのテント内で使っても、睡眠を妨げないこと。
- 所有欲(デザイン):リビングに置いても景観を損ねないこと。(しまい込む防災用品は、いざという時に使えないため)
【第6位】JVCケンウッド
「その『信頼』は本物。でも、プラスアルファの『決め手』が欲しかった」日本人なら誰もが知る、音響メーカーの雄、JVCケンウッド。あの「Victor」の犬のマークがついているモデルもあります。
惹かれた点:
まず、国内大手メーカーという「絶対的な信頼感」です。サポート体制も安心できますし、品質管理も徹底されているだろうという期待がありました。デザインも、無骨すぎず、かといって可愛すぎず、絶妙なバランスです。
選ばなかった理由:
私が本格的に比較していた時期、JVCケンウッドの主力モデルの多くは「三元系リチウムイオン電池(NCM)」を採用していました。
ここで、今回の記事で最も重要な「バッテリーの種類」について、簡単にお話しさせてください。
- 三元系(NCM):エネルギー密度が高く、小型化しやすい。EV(電気自動車)の多くも採用。ただし、熱暴走のリスクが(リン酸鉄に比べ)やや高く、充放電サイクル(寿命)が500〜1000回程度のものが多い。
- リン酸鉄(LiFePO4):熱安定性が非常に高く、発火リスクが極めて低い。充放電サイクルが2000〜4000回と、圧倒的に長寿命。ただし、三元系より少し重くなる。
JVCの安心感は魅力でしたが、「中身(バッテリー)」が私の最優先事項と合致しなかった。それが、選ばなかった理由です。
【第5位】PowerArQ(スマートタップ)
「キャンプサイトで、一番『映える』。でも、私は『映え』より『耐久性』が欲しかった」「PowerArQ」のポータブル電源は、本当におしゃれです。コヨーテタンやオリーブドラブといったアースカラー。レトロな雰囲気の四角いデザイン。キャンプ場でこれを使っている人を見ると、「わかってるな」と思ってしまいます。
惹かれた点:
圧倒的なデザイン性です。所有欲は間違いなく満たされます。日本の企業(株式会社SmartTap)が企画・販売しているという安心感もありました。
選ばなかった理由:
理由は、第6位のJVCケンウッドとほぼ同じです。私が検討していた主力モデルが「三元系」だったこと。
趣味のキャンプ「だけ」で使うなら、デザイン重視でこれを選んでいた可能性は十分にあります。しかし、今回は「防災」という、家族の安全がかかった買い物です。
「おしゃれだけど、寿命が(リン酸鉄より)短いかもしれない」
「可愛いけど、安全性に(リン酸鉄より)少し不安が残るかもしれない」
この「かもしれない」を、私はどうしても拭うことができませんでした。(※最近はPowerArQもリン酸鉄モデル(PowerArQ S10 Proなど)を出しており、素晴らしい進化を遂げています。あくまで私が比較検討していた時点での話です)
【第4位】Jackery(ジャクリ)
「ポータブル電源の『王様』。その安心感と、ファンの音の間で揺れた」ポータブル電源といえば、Jackery。このオレンジ色のボディを一度は見たことがあるはずです。世界的なシェアと実績、これ以上の安心感はありません。
惹かれた点:
「みんなが使っている」という圧倒的な安心感と実績。ソーラーパネルとのセット販売も積極的で、「ポータブル電源+ソーラー」という文化を作ったのは、間違いなくJackeryです。何かあっても、ネットで検索すればすぐに情報が出てくるのも強みです。</p
選ばなかった理由:
理由は2つあります。
1つ目は、やはり「バッテリーの種類」です。Jackeryもまた、三元系バッテリーを中心にラインナップを構成してきました(※最近、「Jackery Plus」シリーズでリン酸鉄モデルを投入し、王者の本気を見せています)。「防災」を軸に据える私には、リン酸鉄へのこだわりが捨てきれませんでした。
そして、2つ目の理由。これが私には意外と大きかったのですが、「ファンの音」です。
家電量販店の実機で、AC出力(コンセントから電気を使う)を試した時のこと。冷却ファンの「フォーン」という音が、思ったよりも大きく感じました。
想像しました。静かな夜中のキャンプサイトで、テントの中でこの音が鳴り続けること。停電した真夜中の寝室で、この音が響き続けること。
……私は、たぶん眠れない。
これは個人の感覚差が大きい部分ですが、実績と引き換えに、私は「静音性」を取ることにしました。
【第3位】Anker(アンカー)
「モバイルバッテリーの『絶対神』。その信頼感は、ポータブル電源でも揺るがない。しかし…」Anker。この名前にどれだけ助けられてきたことか。私のカバンには、今もAnkerのモバイルバッテリーと充電器が必ず入っています。
そのAnkerが「Anker Solix」シリーズ(旧Anker 757 PowerHouseなど)で、本気でポータブル電源市場に参入してきました。
惹かれた点:
Ankerは、後発だからこそ「リン酸鉄(LiFePO4)」の優位性に着目し、ほぼ全ラインナップで採用しています。私の最優先事項である「安全性」と「長寿命」を、完璧に満たしていました。
さらに、Anker独自の長期保証。製品への絶対的な自信が伝わってきます。「もう、これで決まりじゃないか?」と、本気で思いました。
選ばなかった理由:
これは、本当に「好み」の問題です。最後まで、本当に最後まで悩みました。
私が感じた、ほんのわずかな迷い。それは「デザイン」でした。
Anker Solixのデザインは、非常に堅牢で、機能的で、信頼感があります。しかし、私にはそれが少し「無骨」すぎると感じられました。グレーとブラックを基調にしたソリッドなデザインは、「ガジェット」としては満点です。でも、「インテリア」としてリビングに常設するには、少しだけ「圧」が強い、と感じてしまったのです。
「防災用品は、常に出しておかないと意味がない」。そう考える私にとって、リビングに置いた時の「景観の調和」は、想像以上に重要なポイントでした。機能はほぼ互角。だからこそ、最後の最後で「好み」の差が出ました。
【第2位】EcoFlow(エコフロー)
「『速さ』は正義。その革新性に惚れた。だが、その『速さ』が故の不安」EcoFlowは、ポータブル電源界の「革命児」です。彼らが持ち込んだ「X-Stream」という技術は、ポータブル電源の常識を変えました。
惹かれた点:
圧倒的な「充電速度」です。他社製品がAC(コンセント)充電に5時間、10時間とかかるのが当たり前だった頃、EcoFlowは「0%から100%まで約1時間」を実現しました。
これは、本当にすごいです。台風が来る直前、「あ、充電し忘れてた!」となっても、1時間あれば満タンにできる。キャンプに行く朝、準備しながら充電が終わる。この「速さ」は、とてつもないアドバンテージです。
デザインも、Apple製品を彷彿とさせる洗練されたもので、非常に魅力的でした。
選ばなかった理由:
私が検討していた主力モデル(DELTAシリーズの旧型など)は、「三元系」でした。この「爆速充電」と「三元系バッテリー」の組み合わせに、私は一抹の不安を覚えてしまったのです。
(※あくまで機械に詳しくない素人の感覚的な不安です)
「こんなに速く充電して、バッテリーへの負荷は大丈夫なのだろうか?」
「寿命(充放電サイクル)が、公称値で800回程度。リン酸鉄の3000回超えと比べると、どうしても見劣りしてしまう…」
EcoFlowも、もちろんその流れを汲んで、最新の「DELTA 2」シリーズなどでは「リン酸鉄」を採用してきました。爆速充電とリン酸鉄を両立させており、今選ぶならAnkerと並んで最強の候補の一つです。
しかし、私が比較していた当時、そして今も感じるのは、「静音性」の問題です。あの爆速充電を実現するためか、EcoFlowの製品はファンの音が(Jackeryと同様に)かなり大きいと感じるモデルが多いのです。
「速さ」を取るか、「静かさ」と「(当時の)バッテリーの安心感」を取るか。究極の選択を迫られ、私は後者を選びました。
【第1位】Blueetti(ブルーティ)
「私が、最後に選んだ『答え』。それは『10年後も家族を守れる』という、圧倒的な安心感だった」そして、私が1年半の長い「沼」から抜け出し、最終的に選んだのが、「Blueetti(ブルーティ)」でした。
日本では、JackeryやEcoFlowほどの知名度はまだないかもしれません。しかし、ポータブル電源とソーラーの分野で世界的に急速にシェアを伸ばしている、実力派のブランドです。
私が購入したのは、防災とキャンプの両方を見据えた中型モデル「AC180」でしたが(※モデル名はご自身の体験に合わせて変更してください)、Blueettiの製品思想は、全ラインナップに共通していると感じます。
なぜ、私がAnkerでもEcoFlowでもなく、Blueettiを選んだのか。その決定的な理由をお話しします。
理由1:安全性と長寿命(リン酸鉄)への「こだわり」が、他社より早かった
これが最大の理由です。私が比較を始めた1年半前、多くのメーカーがまだ「三元系」で速度や軽さを競っていた頃から、Blueettiは「これからはリン酸鉄(LiFePO4)だ」と、その安全性と長寿命を強く打ち出し、主力製品の多くに採用していました。
私は、その「先見性」と「こだわり」を強く信頼しました。
充放電サイクルは、3500回以上。
仮に、毎日フル充電・フル放電を繰り返しても、約10年間使える計算です。
「防災用品」として、これ以上の安心感があるでしょうか。
「10年後、息子が高校生になった時も、この一台が我が家を守ってくれる」
そう確信できたのが、Blueettiでした。EcoFlowやAnkerがリン酸鉄を採用し始めた今となっては横並びに見えるかもしれませんが、この「安全性」という哲学にいち早く取り組んでいた姿勢が、私の心を掴みました。
理由2:すべてが「ちょうどいい」洗練されたデザイン
第3位のAnkerで「デザインが好みではなかった」と書きました。Blueettiのデザインは、その対極でした。安っぽさが一切ない、マットな質感。無骨すぎず、かといって家電っぽすぎない、絶妙なチャコールグレー(またはブルー)。
リビングの片隅に置いても、インテリアによく馴染みます。
「常に出しておく」防災用品として、このデザインは私にとって完璧でした。妻も、「これなら、リビングに置いておいてもいいね」と、唯一納得してくれたのがBlueettiでした。
理由3:驚くほどの「静音性」(と、地味に嬉しいECOモード)
第4位(Jackery)と第2位(EcoFlow)で「ファンの音」を指摘しました。Blueetti(AC180)を使ってみて、私が最も驚いたことの一つが、その「静かさ」です。もちろん、高出力で使ったり、急速充電をしたりすればファンは回ります。しかし、その音質が非常にマイルドで、耳障りではないのです。
さらに、Blueettiには優秀な「ECOモード」が搭載されています。これは、接続されている機器の消費電力が一定以下になると、自動的にAC出力をオフにしてくれる機能です。
キャンプで夜、スマートフォンの充電だけに使っている時。充電が終われば勝手に出力が止まる。つまり、無駄な電力を使わないし、ファンも回らないのです。これは、地味ですが、就寝時には最高の機能でした。
(※一部モデルでは、EcoFlowの「静音充電モード」のように、アプリでファンの回転数(充電速度)を意図的に落として、さらに静かにすることも可能です)
理由4:急速充電と安全性の「絶妙なバランス」
EcoFlowの「1時間」という充電速度は、確かに驚異的です。では、Blueettiは遅いのか?そんなことはありません。私が選んだAC180は、「ターボ充電」モードを使えば、1.5時間程度で満充電になります。
「1時間」と「1.5時間」。この30分の差は、私には「許容範囲」でした。むしろ、リン酸鉄バッテリーの安全性を最大限に保ちながら、この速度を実現している「バランス感覚」に、私は技術的な誠実さを感じました。
速すぎる(と私が感じてしまう)EcoFlowでもなく、従来型の充電(5時間以上)でもない。この「ちょうど良さ」が、私の不安をすべて解消してくれました。
Blueettiが、私の家族にもたらしたもの
Blueettiを手に入れてから、私の「不安」は「安心」に変わりました。台風が接近する夜も、「まあ、AC180があるし大丈夫か」と、妻とコーヒーを飲んで過ごせるようになりました。以前のように、懐中電灯と乾電池をかき集めることもなくなりました。
週末のキャンプは、劇的に変わりました。冬キャンプで、息子が「寒い」と言えば、電気毛布を使える。夏は、小型の扇風機を回し続けられる。ポータブル冷蔵庫で、いつでも冷たい飲み物が飲める。
それは、「便利」になったという以上に、「心の余裕」が生まれた、ということでした。
結論:あなたが「安心感」を最優先するなら
ポータブル電源選びは、「沼」です。本当にたくさんの選択肢があります。知名度と実績の「Jackery」。
爆速充電の「EcoFlow」。
絶対的信頼感の「Anker」。
デザインの「PowerArQ」。
どれを選んでも、きっとあなたの生活を豊かにしてくれます。
しかし。もし、あなたが私と同じように、
「趣味のためだけじゃない。家族を守るための『防災用品』として、絶対に失敗したくない」
「高価な買い物だから、5年後、10年後も、安心して使い続けられるものがいい」
「停電の夜やテントの中で、ファンの音に悩まされたくない」
そう願うなら、私は、Blueetti(ブルーティ)という選択肢を、本気で検討してみてほしいと思います。
彼らの製品哲学である「安全性(リン酸鉄)へのこだわり」と、それを支える「静音性」、そして「デザイン」のバランス感覚は、私が1年半悩み続けた末にたどり着いた、「完璧な答え」でした。
この記事が、あなたの「ポータブル電源沼」を抜け出す、一つの光になれば、これほど嬉しいことはありません。
長い文章を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
(もしよろしければ、あなたの「ポータブル電源選びの悩み」や「私はこれを選んだ!」という体験談も、コメントで教えていただけると嬉しいです)
